発掘中に見つかった遺物は、土や泥が付着しています。
遺物には当時の様子を示す貴重な情報が隠れていることがあります。
丁寧に洗浄した遺物に、どこから出土したのかという情報を
迅速かつ正確に記していきます。
遺物の劣化を止めるために、保存処理をほどこします。
正確な遺跡全体の様子を記録していきます。
発掘された文化財は出土すると同時に劣化の進行が始まります。
当社では金属製品、木製品を主として様々な遺物の保存処理を行っています。
また、保存処理に関係する成分分析、樹種同定等の各種分析や遺構剥ぎ取り、土器などの強化処理も行っています。
木製品から採取した小さく薄い欠片を光学顕微鏡などを使って観察し、木材の種類を同定します。
含浸槽を使い、木製品内部の水分をポリエチレングリコールに置き換え、破損や劣化を防ぎます。
X線写真や顕微鏡などで観察を行い、その結果をもとに劣化状況を把握し、錆取りの程度や脱塩処理期間等の保存処理方針を決定します。 三重県志摩市 塚穴古墳出土 鉸具(馬具)
処理前
X線透過写真
処理後
PEG含浸法、真空凍結乾燥法を併用し、保存処理を行う遺物に適した方法を決定します。
組織の特徴から木材の
樹種を同定する方法です
岐阜県本巣市 番場遺跡出土 二又鍬
漆製品の塗膜を分析することで
製作技法を明らかにします
福井県福井市 一乗谷朝倉氏遺跡出土 漆椀
(福井県立一乗谷朝倉氏遺跡資料館)
発掘現場で出土した遺物の洗浄作業を行い、出土情報を記していきます。
注記装置を使用し、均一に印字します。手書き注記にも対応しています。